ペットバレーとOne Health

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ペットバレーとOne Health(ワンヘルス)

私は仕事柄、動物病院向けのサービス開発を立案することが多い。同時に、小さい一歩ながらも動物保護シェルターとなるペットバレーを作りながらやはり日々動物愛護界隈に関する話題やトピックに思いを馳せる機会も多い。

ペットバレーのような動物保護シェルターの活動を本格的に行う場合、個人で自分の住居に何匹かの保護犬や保護猫の里親となり愛情を注ぐだけにとどまらず、動物愛護やその他の動物に係る領域の啓蒙活動も必要になってくる。

そのような機会が訪れた際のためにも可能な限りの知識習得をしている。最近は、動物倫理について勉強中である。

動物倫理を勉強したことがない私のような人間の場合は、ワンヘルス、ワンウェルフェア、動物倫理や動物愛護等は諸々が重複があり似たようなことを主張しているのかと思っていたが、それぞれが全く持って違う要点を重視している。そのような中でもこの動物倫理は極めてラディカルな主張をしているということを徐々に理解し始めたところだ。

コロナが蔓延し始めた時期には昔から存在していたOne Healthという言葉が再度注目をされることになったがやはり小動物臨床獣医師とは少し距離があるように感じた。

おおよそ言葉の定義が人獣共通感染症に対しての考え方がベースになっているからと言われれば半分納得する部分もあるのだが、一部ソーシャルメディア界隈では狂犬病予防接種が不要だという極端な意見も出る程度に、一般人や一般飼い主には少なからずの距離がある話題なのかもしれない。

他方で、もう少し動物関連の話題には敏感になりそうな動物愛護界隈においては、One HealthよりはOne Welfare(動物福祉)の方向によりシフトしているようにも見える。考え方や方向性についてはOne Health(ワンヘルス)とOne Welfare(ワンウェルフェア)は重複するところもあるが、動物病院界隈から見るとOne Welfare(ワンウェルフェア)が推し進める方向性は動物病院業界の経済的利益とは相反する可能性も否定できない側面もあり、社会に浸透させるための後ろ盾を望むのは難しい気もする。

一方で、人類が今後も向き合う必要がある人獣共通感染症の脅威に打ち勝つためにはOne Health(ワンヘルス)の重要性はより一般に認知され、さらには日々の生活に何らかの形で実践されるべき要素も多々あるのだと思う。

豊かな生活や幸福、福祉を追求する中ではOne Welfare(ワンウェルフェア)や動物愛護も重視されているのも事実であるが、「人類の生存」という極めてクリティカルな問題に対して真正面から向き合っているのはOne Health(ワンヘルス)になるのだと思う。

人間の健康、動物の健康、環境の健康の3つを関連付けてすべてを満たすことができるようなが統合的アプローチがOne Health(ワンヘルス)の要になるだろう。

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