熊はなぜ倉庫に立てこもるのか
今日の熊さんは、岩手県奥州市衣川という地域で住宅の倉庫に丸一日以上居座った後に30日午後に捕獲されたようだ。以下のニュース動画にて、倉庫の中のクマの様子が確認できる。
捕獲の方法は、吹き矢で麻酔を撃ち眠らせて、大きな檻を現場に持ち込み捕獲するという流れ。大きな雌の熊だったようで丸々していたので冬眠目前のエネルギーの蓄積目的なのだろうか。が、やはり一匹の熊に対応しなければならない人間の数が多すぎて、どこまで行っても「対応する必要がない形」を作る以外には継続的にはやってられない状況にしかならないのだろうとは思う。
場所は岩手なので、基本的には山間。ニュースでおばあちゃんが言っているように「柿の木を植えたのが良くなかった。ここは熊の場所だもんね」みたいな、動物愛護活動家の人達が喜びそうなコメントもあったが、まぁ実際問題としては、注意すべき行動の一つなのだろう。
いずれにしても、一度でも住宅に侵入をしてきた熊というのは今後も来る可能性が高くなってしまうので今回は捕殺することになったようだ。
現在、勉強中の動物倫理学的には、動物の命を守ることが最優先となるようなので駆除はダメなのだろうが、このように「今後もほぼ来てしまうリスク」を考慮する場合の対応はどのようなものを(動物倫理学のような主張をする人達が)是とするのかはいまいちよくわからい。住民に危害が及ぶ可能性を考慮すればやむなしなのか、それとも眠らせて山に戻せばその時点では緊急を要するものではないから殺すことは許すまじなのか。
究極的な動物倫理的な解決策は、そのような動物との隔離は難しく、また極力人間が自然に介入することを控えるうえで住み続けることが難しいと判断される土地は人間が移動すればよい、となるのだろうことは何となくわかる。いや、理解しているとか同意しているとかではなく、たぶん彼らがそのような主張に帰結するのだろうということはわかる、という意味だ。
ちなみに私自身の現在の考えとしては、捕殺やむなしと思っている。また、あまりにも熊の出没が多い場合には、可能な限りの個体数の確認を行った上で個体数制限等もやむなしという考えだ。
人間主義的な考え方だと言われようが、やはり私は常識的な範囲の中であれば人間がより良いと考える方を選択する方が自然だと思っている。
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