ヒグマ大国ルーマニア
ルーマニアがヒグマ大国であることを知らなかったのだが、熊の生息数は8000頭ほど。
日本の熊の生息数は15000頭前後と言われていたが今はもう少し増えているのだろうか?国土の広さや生息数の数字の違いはあるものの、ルーマニアの熊対策は大いに参考になることがあると思う。
とりあえず、スキーで滑りながら余裕で熊を撮影しているスキーインストラクターの鋼の精神力を大いに見習いたいのはやまやまなのだが、ちょっと真似するのは難しそうだ。
ルーマニアがとっている熊対策は、監視強化の共存と表現されていた。ロシア以外では、ヨーロッパ最大のヒグマ生息地(8000頭)で、伝統のクマ祭りもあり、観光資源ともいうほどのクマとの共存を進めているそうだ。2016年に狩猟が禁止され、ヒグマの駆除ではなく共存をする考え方がとられたとのことだ。
対策の柱は
- 熊出没アラーム
- モバイルアプリでの熊出没箇所の共有
- 熊にカメラを装着して行動モニタリング
- 人の生活圏との境界に電気柵
- 観光客や子供たちへの教育
になっている。
もちろん単純にルーマニアの対策を真似すればよいわけではないだろう。ルーマニアの国土は大体日本の本州。日本の人口はルーマニアの1.6倍、熊の頭数は2倍前後、人口密度はルーマニアの4.1倍。
対策範囲が広く、熊の生息地域も偏りがありそうだし、自然環境の違いや樹木や果物等の分布にも大きな差があるのは十分承知するが、それでも国の方針として狩猟を禁止し共存策を選ぶあたりは国民性の違いなどもあるのだろうか。
このような決断を日本ができるのかと言われると、多くのしがらみがある中では難しそうではあるもののその土地の文化や環境に合わせた最適な対応策を打ち出していってほしいところである。
熊関連ニュース
話は変わるが、熊関連のニュースを追いかけていたら気が付いたのだが、Youtube上で流れるトレンドニュースというのは結構な頻度で、日付を遡って繰り返し手同じネタを扱っていることに気が付いた。
熊の被害が多く出始めたころから熊に関する話題がニュース以外にも増え始め、今度は日本以外の国のクマの情報まで出てくるようになっている。
情報ソースとしては有益な情報ではなるが、海外はこうやってる、だから日本もこうするべきだ的なトーンで言われたところで、考え方のベースが異なる欧米人と同じ対策をとっても国民になじまない可能性もある。
シーシェパードが鯨やイルカ漁に対して執拗に日本の妨害を繰り返していたのは記憶には新しいが、支援をしていた国は鯨がやはり観光資源だった。ルーマニアも熊は観光資源だという位置づけだ。
私達は、熊に対して観光資源だと言えるほどの親しみを持つことができるのだろうか。
そう考えると、やはり対策の中身も重要ではあるが、その対策を実行する人達の性質なども吟味して最良策をとる必要性を強く感じる。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] ルーマニアの熊対策を参考にできるか 【ヒグマ大国ルーマニア】 […]
[…] ルーマニアの熊対策を参考にできるか 【ヒグマ大国ルーマニア】 […]