対象名+カメラ=対象用のカメラなのか
私たちは「熊カメラ」と聞けば、何となく熊を撮影(またはその他の用途のため)に使用されるカメラであることは大体の人がわかる。人を撮影するときは人カメラ。景色を撮影するときは景色カメラ。そんな風には呼ばないし、自宅で犬や猫を見守る、または高齢になった一人暮らしの人を見守る、そんな目的で設置されるカメラは見守りカメラ的な名前で、対象名ではなく目的となっている機能の名前付くことが多い。いや、そんなことは本当にどうでもいいことだった。本題に入りたい。
で、熊カメラと呼ばれているこのカメラは、これは映像内の熊の姿をAIに認識させて、その後プログラムされているアクションを摂るように設計された熊対策用カメラということだ。
福島県の会津美里町ではテスト導入しているクマ対策についてのニュース。会津大学の齋藤寛教授が作ったもので「先端に付いているモーションセンサーで、何かの動きがあったらこのカメラで撮影して、撮影された画像に対し、AI(人工知能)で“クマ”“イノシシ”と判別」
このシステムを活用してクマが出没した際にはAIカメラがクマを察知し、大きな音と光を発することによって熊を驚かせて退散させるというもの。現在は14種類の音がランダムで鳴り激しい光も発動される仕組みのようだが、これはきっと慣れてしまわないようにするためであろう。学習能力が高いと言われる熊の場合は、そのランダムパターンももっともっとあるにこしたことはないのかもしれないが、まだまだテスト中といったところだろうか。
AIにあらゆるパターンの熊の動きや造形を学ばせているためすぐに察知できる。この察知をしたら近隣住民にメールでその共有が行われる仕組みで「熊カメラ」設置後は被害なし、ということ。この辺りはニュースなのでどう理解すればよいのかわからないが、これまで被害が頻繁に報告されるような場所だったが導入後は被害がなくなったという話なのであれば効果があると判断できそうだ。
熊の身体能力
熊の被害ではないが、このニュースで見られる熊の身体能力がわかる撮影があったので共有しておきたいのだが、熊は瞬間的に時速50㎞で走り、獲物の子供がいることが「匂い」で判断できるくらいの嗅覚を持つそうだ。
自然界の捕食者達は概ねそのような能力を持つので熊に限って驚くべき能力という必要はないのだが、われわれ日本人が日常生活において遭遇する動物という限定をするとその意味合いは大きく変わるだろう。
特に深いことは考えずとも、パワー、スピード、そして居場所や存在を把握する嗅覚などあらゆる能力は人間のそれを凌駕している。対峙をすればほぼ勝ち目はなく、共存しようとしても相手がそれを望んでいるわけでもない。
そんな相手が現在、日本のいたるところ人間の生活圏に出没しているという点をまずは正しく認識に、どんな優先順位で、そしてどのような方法をもって私達の生命を守りつつ動物との共生を実現できるか。きれいごとだけではない実現可能性を考慮した選択を私達はして行く必要がある。
動物保護シェルターにも遠隔カメラ
ペットバレーが稼働し始めたあかつきには、遠隔監視カメラなどの用意も必要になるのかもしれない。常駐のスタッフを用意することが優先順位としてはもっとも高いのは間違いないのだが、それが難しい場合などの想定もすると遠隔監視カメラは必要だろうし、常駐ではないにしても近隣からすぐに駆け付けることができるスタッフは大切だ。
動物保護シェルターの場合は、運用資金に苦労することが多いはずだが、このような人件費もまた同様にコストとしては大きくのしかかってしまうのだろう。これらもロボットやAIの活用でより円滑に運用ができるような未来を求めるべきなのか。あるいは、そのような動物と直接接する必要がある領域はさすがにロボットなどに頼るべきではないのか。
現時点においては、私はやはり人間がそれらを最後まで責任もって対応するべきだとは思うが、今後どうなっていくのかは科学の発展や社会常識の変化次第というところだろうか。
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