以前からもよく熊出没の話題では出てくる岩手県。関連リンク内でも岩手県花巻市のクマの被害が話に出ている。
逃げてくれてよかった。
花巻市猟友会会長が言っているように「街のど真ん中の民家に熊が入ってくる」という危険な状況になってしまっている。ただ、ちょっと面白いなと思ったのは、「クマがいますから、いないでください。飛び出してきたら、やられるよ」 みたいなやり取りを町の人やっているところですよね。
単純に、都会では熊が出てくることがないので、たぶん熊が一匹街に出てきたみたいな話になったらそれはそれは大騒ぎで、たぶん都会人であればみな自宅に引きこもるのだと思うのだが、きっと日常の中に熊がもっと身近な人達の場合は(驚きや警戒は当然あるものの)もう少し危機感的な部分では都会人とは違いがあるのかもしれないと思った次第。
花巻市猟友会会長のコメントにある「逃げてくれてよかった。居座れば、何とかしなきゃいけないから」 という言葉はとても重たい。
猪の異常発生も熊出没の原因
今年、クマによる被害が拡大している理由に、ブナというドングリの不作をあげており、これは以前からもこのブログでも言及しているが、それらによって熊の行動委範囲に変化が起こっている、と岩手大学農学部森林科学科山内貴義准教授は述べている。
また花巻市猟友会会長は、別の要因を指摘している。それは猪の異常発生。猪が熊の餌を先に全部掘って食べてしまうらしい。イノシシが大量に発生していることにより、クマの餌(えさ)となるドングリやクリなどを食べ尽くしていることというわけだ。
ニュースの終わりの方では、牛舎に8頭もの熊が餌を求めて侵入している様子が撮影されており、何とも恐ろしい話である。一方で、「突然人に襲い掛かる」わけではない場合に限っては、共生を可能と思わせるような熊の落ち着きのある行動も見受けられるので、特に餌を強烈に求めていたり、あるいは子熊を連れている母熊といったような防衛本能が強く働いているケースに細心の注意を図ることができれば、人的被害というのは大きく改善する余地もあるのかもしれないと感じた。
ただ、何ともお役所的な判断だなと感じたのは、「雫石町でも、この牛舎の状況を把握しています。ただ、この地域ではクマによる人身被害が確認されていないため、積極的な駆除は行っていないといいます。町では、今後も定期的に現場を視察する方針です。」という部分。つまりは喫緊の課題と認識するほどには被害が出ていないという話だ。逆に被害がでてしまったときには人間の命が失われる可能性もある話なので、とても苦しい判断なのかもしれない。
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