運命の猫「Dr.有希の猫エッセイ」  

「ウチに来た子が私の猫」

今まで飼っていた猫はすべて捨て猫か野良猫、野良猫の子供。自分で猫の性格やオス、メス、毛色で選んだことはなく、「ウチに来た子が私の猫」ということが私の中では当たり前でした。

少し前の診察でボランティアの方が「一度は自分の好みの毛色で猫を選んでみたいわ~」とおっしゃって、その言葉をきっかけに私も自分の意思で猫を選んでみたいと思いました。きっと一生無理なことで、私が好みの猫を選ぶ機会は絶対にないだろうと自覚はしています。

ちなみに好きなタイプの猫はメスでツンデレ、ちょっと(結構)ワガママな女王様タイプの子が好きです。毛色はやっぱり三毛。これは完璧にピーコ(初めて飼った猫)の影響です。

近くの公園や山で捨てられた猫を保護しては里親を探し、どうしてももらわれない子が我が家に残るといったパターンです。見た目がかわいさに欠けたり、性格に難ありだったり、病気だったりですが、どの子も我が家に来たかわいい子に違いはありません。

そもそも命あるものをお金で買うことに抵抗があったのですが、きっと日々捨てられる猫と暮らし、お金で買った猫と捨て猫に何も違いがないことを小学生ながらに理解していたのだと思います。出会った子が私の猫です。

小学校の帰り道について来た猫、家の前の山に捨てられた猫、実家の門の前に鳥かごに入れられて捨てられた猫もいます。
鳥かごに入っていた子猫はシャム猫で、下痢が止まらず動物病院で治療してもらいましたが状態が悪く死んでしまいました。鳥かごの猫ちゃんのことは今でも忘れられない出来事です。

その年最大の台風の前日に公園に捨てられていた猫9匹。これも忘れられません。9匹全頭ビショビショに濡れ、蛆がわいていました。生後3週目くらいの黒猫たちでした。全頭助けることが出来、8匹がもらわれ、1匹はウチの子に。捨てた人のことを「なんてひどいことをする大人なんだろう」と怒りを覚えました。

(くどいかもしれませんが、現在も同じように無責任な飼い方をしている人がいます。自分の都合で飼っていた猫を捨てる、望まない妊娠があった場合に仔猫を捨てるといった人が後を絶ちません。どの猫ちゃんも幸せになれるよう、せめて飼い猫は責任をもって一生涯飼ってください。妊娠を望まないのであれば不妊手術を受けさせてください。)

どんな猫を選ぶか悩んでしまったら

獣医になり日々の診察でお話しする中で私と同じような経験をされ悩まれている方がたくさんいます。里親募集型の猫カフェをやるようになって、今まで以上に猫のことで悩まれている方にお会いすることが増えました。時間の許す限り私なりのアドバイスをさせていただいています。

猫カフェには里親希望で多くの方が来られますが、中には迷ってしまって決められない方がいます。
猫が欲しいけどアレコレ見たり考えたりしているとどの猫が欲しいのかわからなくなる現象。これよくあります。譲渡会に行ったり、猫カフェを沢山めぐったり、ネットの里親情報をいっぱい読んだりしていると、本当にどの猫が欲しいのかわからなくなるのです。

色んな意見があると思いますが、私のアドバイスは「自分のフィーリングで選ぶ」です。
人間の赤ちゃんでも自分では選べないように、猫との出会いも運命の出会いなのです。理性で考えて血統や毛色で選ぶのではなく、出会ったときの感覚で選ぶ。それがあなたにぴったりの猫ちゃんなのです。