独断はNG!獣医師が解説「キャットフード」の選び方と注意点

現在市販されているキャットフードの種類は、実に多種多様になっています。猫ちゃんの好みに合わせて味や食感を選べるのはもちろん、年齢別、品種別、お悩み別など、色々な視点から選ぶことができるので、何を与えればよいか迷ってしまいますね。今回は、特に機能性に特化したフードを中心に、それぞれのフードの役割と与える時の注意点について解説します。

【まずは基本をおさらい!主食選びに必要な、たったひとつのこと】

ショッピングモールなどのペットフード売り場に行くと、壁一面に美味しそうなキャットフードがずらりと陳列されていて驚かされます。味や粒などに工夫があると人間視点でも楽しくて、つい目移りしてしまいますが、猫ちゃんの主食となるキャットフードを選ぶ時に絶対に守っていただきたいことが、ひとつだけあります。
それは「総合栄養食」という表記のあるものを選ぶこと。

パッケージの裏などをよく見ると「総合栄養食」「一般食」「副食」などの表記があり、この中で猫の主食としての栄養バランスを満たしているのは「総合栄養食」だけです。その他のフードは嗜好性を高めたり、栄養分や水分の補助をしたりする、いわゆる「付け合せ」のような存在ですので、それらを主食として与えてしまうと栄養バランスが偏ってしまいます。主食として与えるキャットフードは、必ず「総合栄養食」を選びましょう。

なお、これとは別のくくりで、動物病院で治療を目的に処方される「療法食」というジャンルもあります。これは獣医師の指示のもとに与えることを前提としたフードで、ほとんどのものは「総合栄養食」と同様に、これだけを与えれば猫の主食としてのバランスを満たしているフードです。
猫の体調や療法食の種類によって、他のフードを併用できる場合とできない場合があります。療法食を与える前には、必ず獣医師に相談しましょう。

【キャットフードの機能別分類】

では、お家の猫ちゃんに合ったフードはどのようにして選べばよいのでしょうか。
まず意識していただきたいのが、「年齢」です。ほとんどのキャットフードは大まかに分けて「幼猫用」「成猫用」「高齢猫用」に分かれています。

幼猫用はタンパク質など成長に必要な栄養価が高く、成猫用は一般的にカロリー控えめ、高齢猫用は機能低下してきた内臓に負担をかけない栄養バランスになっています。猫ちゃんの年齢に合ったフードを選びましょう。

次に考えたいのが、お悩み別の機能です。成猫では尿路系の悩みや肥満が問題になることが多く、高齢猫では腎機能低下や食欲不振が心配になってきます。ちょっと太ってきたな・・・と思ったら、カロリー控えめのフードを選ぶとよいでしょう。ヘアボール(毛玉)のコントロールをしているフードなども一般的です。さらに「品種別」などのフードもありますので、品種のどんな特徴に配慮しているかを確認し、おうちの猫ちゃんに合っていそうだと思ったら試してみるのもいいですね。

肥満など目に見えて明らかにわかる問題以外は、動物病院で健康診断をするとわかります。この時に療法食を勧められることもありますので、その場合はサンプルなどをもらって積極的に検討しましょう。

それからもう一点、付け加えておきたいことがあります。
色々なキャットフードのパッケージを見ていると「下部尿路の健康に配慮」という表記があるフードが非常に多いことにお気づきになるかと思います。猫は基本的に、膀胱炎や尿路結石などの下部尿路の病気に非常になりやすい動物です。これは身体の作りからして仕方のないことなので、普段の食事で予防してあげましょう、という目的です。主食となるフードは、なるべくこの表記があるものを選んでおいたほうが安心です。

ただし、この表記があるから膀胱炎にならないというわけではありません。特に、過去に膀胱炎などの病気になった猫ちゃんの再発率は非常に高く、獣医師が指定した療法食をずっと食べ続けなければいけない子も多くいます。

飼い主さんの判断で療法食から総合栄養食に変更した結果、膀胱炎が再発する猫ちゃんも少なくないので、泌尿器系の病気で病院にかかったことのある猫ちゃんは、フードを変更する時は必ず獣医師と話し合いましょう。

【まとめ】

猫ちゃんにとって食事は毎日のことですから、楽しく健康に過ごすために最適なフードを選んであげましょう。健康な猫ちゃんは、まずは年齢や目的に合った総合栄養食を試してみて、食いつきや排泄の状態などをチェック。病気になったことのある子や持病のある子は、獣医師に相談しながら病気の予防効果のあるフードを選びましょう。