【猫目】猫にはあって人間にはない「タペタム」とは?

猫の目は細くなったり丸くなったり、状況に応じて変わります。その理由は、暗視能力の高さにあります。

夜目がきく猫は、暗闇でも物を見ることができます。猫の網膜の裏には人間にはない「タペタム」と呼ばれる反射板があり、わずかな光をこの部分に反射させて光を増幅することにより物体を認識するのです。暗い場所で猫と出会うと目だけが光って見えるのも、このタペタムが反射しているからです。タペタムに光が入りすぎると目を痛めてしまうことがあるため、光量の多いところでは瞳孔を閉じて光を抑制します。
ちなみに猫は夜行性と思われてきましたが、最近の動物行動学では薄明薄暮性(明け方や夕暮れに活動的になる性質)であるといわれています。また真っ暗闇だと猫も物を見ることはできません。

猫の視野は120度!?

猫は視野が広く、両目で見ることができる角度は人間と同じ120度くらいですが、片目ずつの視野も含めると斜め後ろのものまでが見える280度ほどを網羅しています。頭蓋骨の大きさに比べ人間よりも大きな目を持つために、視界も広くなるのです。

その一方で、視力はあまりよくありません。一般的に人間の10分の1程度、人間の視力で言うと0.2くらいと言われています。その代わり動いているものを認識する動体視力に優れ、50メートル先にある対象物の動きも的確に捉えられます。

色の認識度も人間より劣ります。よく猫は赤い色が見えないと言われますが、網膜にある錐状体(すいじょうたい)という色の認識を司る細胞が人間よりもずっと少ないために、色がはっきりと見えないのです。一説によれば赤は暗い黄色のよう見えているそうです。

このように猫の目は、視力が弱く色の認識度も低いという欠点を、暗視能力の高さ、動体視力のよさと視野の広さという優れた点で補っているのです。これらは猫が野生動物として生きていた時代に、暗い環境でも小動物などの獲物をうまく捕らえるために発達、あるいは退化してきた歴史があるからだと思われます。家猫になってもなお、外にいる鳥やちょこちょこと動くおもちゃに心奪われるのは、本能に根ざすものなのでしょう。

 

(執筆:ペットバレーライターチーム/監修:しらさぎ動物病院 常安健介)